ご挨拶
美しい自然と心温かな人とのふれあいのある日本で、磨かれ育まれてきた芸術!
今、世界が日本を注目する中“日本のこころ”とも言える伝統芸能「雅楽」の世界!
こうした観点から、わたしたちは、日本伝統芸能「雅楽」の振興や後継者の育成に向けて、
さまざまな施策を意欲的に展開してまいります。
現今、兵庫県の行政施策の一つに伝統・文化等に関する教育の推進があります。すなわち、地域・郷土への愛着・誇りなど、故郷意識を醸成するとともに、現代人が望んでいる我が国に古くから伝わる日本伝統音楽の粋「雅楽」への憧憬に対する鑑賞の推進であります。古来、摂津・播磨・丹波・但馬・淡路の五国を擁し、太平洋、日本海に囲まれた雄県兵庫にあって、また、開港百五十年の佳節を迎えた港町神戸に於いて、一般財団法人「日本雅楽協会」が結成されました。
ここに、国内外の皆様に日本の伝統芸能を楽しみ鑑賞していただこうという目的で、この度、兵庫、神戸からユネスコの無形文化遺産「雅楽」の定期公演を開催することになりました。
多くの皆様方のお越しを心よりお待ち申し上げる次第であります。
舞い:右舞•演奏:笙•筝
<経歴>
1944年 大津皇子を祖とする京都方楽家、豊家に生まれる
1956年 宮内庁式部職楽部に入部
同 年 同 学部の楽師
2007年 同 学部首席楽長
2009年 同 学部を定年退職
同 年 日本芸術院賞受賞
2014年 瑞宝双光章
2017年 一般財団法人日本雅楽協会顧問
また、1977年に学部有士により結成された十二音会の委員長として、古典を中心に伝統芸術と現代芸術の融合の可能性を求めて積極的に活動。(一部紹介)
ひもとけば、ローマに通ずると云われる“雅楽”、シルクロードを通り、アジア大陸の多くの文化を吸収、やがて唐の都 長安で東南アジアから音楽と融合し唐楽となる。
更に東へ進み、朝鮮半島の高麗楽と共に我国に伝来したのが五世紀前後、日本古来の国風歌舞(くにぶうのうたまい)とあわせて雅楽となり、実に壮大な音楽である。
歴史的背景からか、今なお、当時の姿をとどめる極めて貴重なシルクロードの音楽、これが雅楽と云える。
この我が国が誇るべき、雅楽の発展・維持・継承に努める為に、雅楽演奏家ならびに関係者各位と協力し合って、この貴重な文化を支えてまいる所存でございます。